ケンコーの昔の自由雲台「FP-100」を中古で買ったので、メンテナンス(グリスアップ)してみました。
これは2000年代にケンコーから販売されていた自由雲台ですが、梅本製作所がOEMで提供していたものです。梅本製作所とは、高精度な自由雲台を製作している知る人ぞ知る? メーカー。「FP-100」は梅本製作所製における初代の自由雲台のOEMですが、今でも色褪せることなく、使用感は非常にレベルが高いものでした。
中古で入手
キタムラのネットの中古販売で買ったのですが、状態は販売時の評価通りで、大きな傷などはなく、約20年前の製品と考えればけっこう綺麗な個体でした。ボールの動きも渋くはなく、薄くグリスも残っていました。強いて言えば、すこしホコリが気になる程度で、清掃すれば綺麗になります。



梅本製作所は直販で雲台用のグリスを販売しています。メールにテンプレートをコピペして注文し銀行振込で支払うという、今となってはハードルの高い手順でしたが、在庫はあったのでスムーズに入手できました。

2種のグリスを塗る
グリスを塗り直すメンテナンス方法は、Webサイトで丁寧に解説されています。今回はこれを忠実になぞってみました。
おおまなか流れは、ボールを拭く、赤い掃除用グリスを塗って拭き取る、白いグリスを塗る(拭き取らない)、というもので、特に難しい点はありません。赤いグリスは白いグリスと混ぜて粘性を変化させる使い方もできるそうです。グリスアップ後、外装を清掃したら完成です。







高精度な自由雲台
「FP-100」の丸いカメラ台の黒いパーツはフリーで回転するようになっているのですが、これはカメラ底部との余分な摩擦を減らす仕組みでしょうか? 黒いパーツは締め付けていくとカメラ底部にくっついて動かなくなりますが、カメラ台はさらに回転させて締め付けられる、という具合です。
注目すべきは、高い剛性、強い固定力、スムーズな操作性という、メーカーのアピールポイントすべてです。本体はずしりとした削り出しのアルミ合金製で剛性感はバツグン。締め付けに使うT形レバーは、フリーの状態から90度ほど回転させる“半締め”にするだけでボールがピタっと止まります。この半締めの保持力で“仮決め”できるので、試行錯誤する場合も非常にクイック・スムーズに操作できます。レバーはさらに90度ほど回転させられます(トータルで180度ぐらい)。

説明書などが付属しない中古品だと気づきにくいですが、梅本製作所の自由雲台には水平パン機構が搭載されています。ひとつの締め付けレバーで「ボール」と「基台の回転」の2つの要素を固定しているのですが、きつく締めてから半締めに戻していく最中に「ボールはまだ固定されているが基台は回転できる」という段階があります。コツは必要ですが、位置を決めた後に水平だけ微調整したい場合に便利です。

梅本製作所が作った自由雲台を初めて入手しましたが、聞きしに勝るすごい使用感です。動きがスムーズでガタツキや遊びは一切なし。レバーをちょっと動かしただけでボールがピタっと止まるのはほとんど未体験の領域で、操作しているだけで気持ちいいです。
あえて難点を挙げるなら、レバーを締め付けていくとある地点でいきなりピタっと固定される“0-100”に近い挙動なので、締め付けの“中間”を見つけにくいという点でしょうか。一般的な自由雲台で、ある程度締め付けてボールの動きを“重くした状態”でカメラを動かす使い方が多い場合、この梅本雲台の挙動は使いにくいかもしれません。
私が三脚を使うシーンはスローシャッター対策で、カメラは普通の広角か標準レンズという軽い組み合わせがメインですし、塗り直したグリスの粘性といい具合に釣り合いがとれている感じなので、この挙動でもあまり問題にはならなさそうです。
ケンコーの「FP-100」にはT形レバーが採用されていますが、梅本製作所本家の最近の製品は丸形ノブが主流になっています(オプションでT形レバーも用意されています)。「FP-100」入手当初はデザイン的に微妙かな? と思っていましたが、実際に使ってみると、締め付け具合がレバーの角度ではっきりと分かるというメリットがあり、気に入ってしまいました。しっかり締め付けるとちょうどレバーが垂直になるのも考えられているなぁと感じます。
約20年前の製品とはいえ、純正グリスでグリスアップしたことで、状態はリフレッシュできたのではないでしょうか。そもそも壊れにくく頑丈な製品ジャンルですし、長く使えそうです。
カメラ関連のアイテムをお手頃な中古で買い、自分でメンテナンスして使うというスタイルは、面倒事をわざわざ買い込んでいるようですが……仕組みが分かったり愛着が湧いたりするので、そういう部分も含めて楽しんでいます。

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